【こんな症例も治りますシリーズ 874】『 セカンドオピニオン診療 : ワンちゃんの寝ている間の尿漏れ(尿失禁) 』も適切な診断と治療でコントロールします

↑ 上の写真は、今回の症例のまとめです。
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◆ 症状 : 寝ている間に尿がポタポタ漏れる、他の病院でホルモン剤を処方されていたが良くならない
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◆ 検査 : 神経学的検査・レントゲン検査・超音波検査・尿検査で明らかな異常なし
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◆ 診断 : 尿道括約筋機能不全(USMI)
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◆ 治療経過 : 薬の量を適切に調整して、約3日で尿漏れがほとんどなくなり、1週間後には尿漏れがなくなりました

 

犬 柴犬 13歳 メス(避妊手術済み)

 

【 寝ている間の尿漏れ 】で来院されたワンちゃんです。

 

 

 

 

◆◆ 飼い主様からは『 寝ている間の尿漏れがなかなか治らない 』とのご相談でした。

 

■ 他の病院で、すでに尿漏れに対するホルモン剤を処方されていましたが、良くならないとのことでした。

 

 

 

 

◆◆ まずは「どんな尿漏れなのか?」を確認します

 

■ 尿漏れ(尿失禁)がある場合、まず大切なのは、次のどちらなのかを見極めることです。

・ 尿をきちんと溜めておけない(蓄尿障害)

・ 尿をきちんと出せない(排尿障害)

 

 

■ 詳しくお話を伺うと、次のような様子でした。

・ 寝ているときに、尿がポタポタ漏れる

・ 起きているときは、普通に排尿できる

・ 排尿するときに、痛がる様子はない

 

 

 

■ そこで、まず病院の中で膀胱に尿が溜まっていることを確認しました。

■ そのあと、実際に散歩へ行って排尿してもらいました。

■ 排尿後に膀胱を確認すると、尿はしっかり出ていました。

 

 

 

■■ このことから、『尿が出せない』のではなく、『尿を溜めている間に漏れてしまう=蓄尿障害』と判断しました。

 

 

 

◆◆ 尿漏れの原因を調べます

 

 

■ 蓄尿障害による尿漏れには、次のようなさまざまな原因があります。

 

 

・ 尿路感染症(膀胱などに細菌が入って起こる炎症)

・ 膀胱や尿道の異常

・ 神経の病気

・ 尿道括約筋(尿道をしめて尿を止めておく筋肉)の働きの低下

 

 

 

■ この子の検査結果と様子は、次のとおりでした。

 

 

・ 神経学的検査(神経の働きを調べる検査) : 明らかな異常なし

・ レントゲン検査・超音波検査 : 明らかな異常なし

・ 尿検査 : 細菌は見つからない

・ 高齢の避妊手術済みのメス

・ 特に寝ている間に尿が漏れる

 

 

 

■■ これらの点から、尿道括約筋機能不全(USMI)を強く疑いました。

 

 

■ USMIとは、尿道を閉じて尿を膀胱の中に溜めておく力が弱くなることで起こる尿漏れです。

 

■ 特に、避妊手術をしたメスのワンちゃんでみられることがあります。

 

 

 

 

◆◆ 「薬が効かなかった」=「その病気ではない」とは限りません

 

 

■ USMIでは、尿道を閉じる力を良くする目的で、ホルモン剤などを使うことがあります。

 

■ この子も他の病院ですでにホルモン剤を使っていたため、一見すると、

 

 

『 薬を使っても治らないなら、USMIではないのでは? 』

 

 

 

■ と思ってしまうところです。

 

 

 

 

 

■■ しかし、これまで使っていた薬の量をあらためて確認すると、十分な治療の量に達していないことが分かりました。

 

 

■ そこで、きちんと効く量(治療域)まで薬の量を調整して、治療を始めました。

 

 

 

 

 

◆◆ わずか数日で尿漏れが改善しました

 

 

■■ 薬の量を調整してから約3日で尿漏れはほとんどみられなくなり、1週間後には尿漏れはなくなりました。

 

 

■ 飼い主様からも【 寝ている間に漏れなくなった 】と喜んでいただけました。

 

 

 

 

 

◆◆ 今回の症例から

 

 

■ 治療をしても良くならないと、

 

・ 『 この薬は効かない 』

 

・ 『 この病気ではなかった 』

 

■ と考えてしまいがちです。

 

 

 

 

■■ しかし実際には、薬の種類だけでなく、薬の量・1日に飲ませる回数・飲ませる期間が適切だったかを確認することも、とても大切です。

 

 

■ 今回のように、診断をもう一度整理し、使っている薬の量を見直すだけで、大きく良くなるケースもあります。

 

 

■ 尿漏れは『年齢のせいだから仕方ない』と思われてしまうこともあります。

 

 

■ しかし、原因によっては、治療で良くなる可能性があります。

 

 

 

 

 

■■ 寝ている場所が濡れている、寝ている間に尿がポタポタ漏れるなどの症状がありましたら、一度ご相談ください。

 

 

 

 

獣医師 土屋優希哉

 

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